クマ蝉

　みなさん元気にお過ごしでしょうか。もう直ぐ８月、暑さもますます厳しくなってきました。我が家の庭の蝉たちも大きな声を張り上げて大合唱をしています。

　この蝉たちは、なぜか庭の中央にある金木犀の木に集まってくるのです。おそらく数百匹はいるでしょう。日が昇る頃になると蝉たちの大合唱が一斉に始まります。そして、不思議なことに、１０時頃になると、この大合唱がぴたりと終わるのです。

合唱中のクマ蝉

蝉たちの集まってくる金木犀の木

はみ出した蝉は、木の上の電話線や電線にまで行列

　私が子供の頃、蝉捕りは、楽しい夏の遊びでした。一番たくさんいたのは、ミンミン蝉、やや小振りで捕らえやすかったせいか人気が無く、小学校へ入る前の小さな子供たちが捕らえる初心者向きの蝉でした。次が、油蝉。ぐっと数も少なくなり、体もミンミン蝉の倍くらいの大きさがあり、逃げるのも早く捕らえることがずっと難しくなります。中級車向きの蝉。そして、最後がクマ蝉です。クマ蝉は、めったにお目にかかることのできない宝物でした。お目にかかれるのはひと夏に数回程度。捕らえることなどまず不可能でした。透明な羽にカラフルなボディ。正に王者の風格がありました。

　ところが、今、私の家の庭で鳴いている蝉は、すべてクマ蝉なのです。かっては、宝物だったクマ蝉が、木からはみ出したのか、飛んで来て私の頭や腕にとまるのです。ミンミン蝉や油蝉は全くいなくなってしまいました。地球の温暖化で、南方種であるクマ蝉の生息地が北上してきたのではと言われています。日本は、遠からず熱帯になってしまうのかも知れません。

　もう直ぐお盆です。夏休みの季節に入ります。今年の夏は、まだまだ暑くなりそうです。お身体には、十分気を付けお過ごしください。